7.15、早朝に追い山が終わり、福岡の街は祭りの終わりと夏の始まりを同時に告げるような、そんな一日なのかなあ。今日も晴天。
昨夜は3時まで呑んでたにも関わらず、朝起きてすぐハイコレ通信を書かなければいけなかった。でも昨夜の楽しいテンションのまま、いっきに書き上げた。
昼過ぎに福岡空港に西脇さんを迎えに行く。車の中でビートルズを聴きながら、西脇さんとビートルズについて話をした、「ボギーさんはジョン派だよね?」「いえ、実はポール派です」「え、ほんと?ぼくもポール派」なんて何気ない会話(笑)。なんかうれしい。
VooDooLoungeにて、sakanaのリハーサル時間にポコペンさんが遅れて到着。どうやら
朝にお財布を無くしたことに気付いてずっと街中を探しまわった挙げ句、結局ホテルの部屋の冷蔵庫の裏に落ちてたらしい(笑)見つかってよかったあ。
無事リハーサルも終わり、いよいよ開演。昨日も来て今日も来たというお客さんもたくさんいる。sakana好きな人にとっては福岡で観れるってことがどれほど貴重か知ってるのだ。
最初はnontroppo、「祭り」モードのときにはやらない曲を中心に演奏した。元々のnontroppoは「踊らせない」バンドだったのだ(笑)。nontroppoとは音楽用語で「過度に盛り上げない」という意味がある。今はもはや真逆のバンドになってしまったけど(笑)。今日のようなセットリストは、たま~にやるのだ。
<セットリスト>
1、タナトピア
2、Fuckin Girl on the Table
3、ヌーディストビーチ
4、酔ったふり
5、ゲーマー
6、ビール
7、ボルチモア
8、family life cycle(newアレンジ!)
新曲「ビール」が演ってて最高に気持ち良いんよねえ。ああ、野外でやりてえ。あと、昔の曲「family life cycle」を新しいアレンジで復活させた。まだ未完成だったけど、ステージの上で今夜完成したかなって感じがした。祈りの曲。
続いて、いよいよsakana。昨年はバイオリンの勝井祐二さんも来てくれて凄くキラキラした豪華な素晴らしい演奏だったけど、今回はシンプルにふたりのsakana。今の活動はこのふたり編成だし、ギター2本によるアンサンブルをすごくこだわって作った曲が最近のナンバーなので、次はふたりのsakanaも見てもらわなければ!って思っていたのだ。
この1年で、東京でも2度sakanaと共演させてもらって、ふたりのsakanaでやりたいこととか、聴かせたいこととかをすごく感じたので、今回こうやって福岡でふたりのsakanaを呼べたのは良かったなあと思う。
「ジニア」や「星を見上げながら」、「バウンティフリー」など大好きな曲もたくさん演奏してくれたし、「ロッキンチェア」からの「Blind Moon」は、美しすぎて息が止まりそうだった。「Blind Moon」のイントロ、あのギターのフレーズが鳴る瞬間にぞわわと立つ鳥肌、そして「♪きみの友達は誰にでも~」って歌い出しの瞬間にまたぞわわわと鳥肌。
日本人離れしたポコペンさんのクセのある歌い方、日本人離れって言っても、だからって外人みたいというわけでもなく、ほかのどこにも見当たらないポコペン節(この言い方、ポコペンさん嫌がってたけど(笑))。
そして西脇さんのギターは浅瀬の河の流れのような指使い。永遠に聴いていたい宝石のようなフレーズが散りばめられたあの指使いを見てるだけでどこか遠くへ連れて行かれるような気持ちになる。
ああ、やっぱりこのふたりの音楽は誠実だ。すばらしすぎる。
後半はchangさんのドラムも加えてバンドサウンドで、「花束」「ルピナス」「Fog」「アンジェリケ」。リハでかるく一回合わせただけなんだけど、ばっちり。
今回の目玉はやっぱり「FOG」ではないだろうか、なぜならこの曲は、去年福岡~大分ツアーに来たときの思い出を歌にしてくれたもので、あのツアーが無ければ生まれて来なかった歌なのだ。歌詞を聴きながら泣けてきちゃう。この曲を福岡で演奏してくれたこと、ほんとうに胸がいっぱいで言葉にならん。
「Fog」
高速 空の窓から白い音楽があふれていた
なんてことなく ふと ふと見上げただけなのに
ぎこちなかった言葉が いつの間にかどこかへ
手のひらから逃げてゆく時をつかまえたかった
ここに来れてよかったんだ
まさか夢にも思わなかったよ
ありがとう
かけがえのない時 すばらしい出会い
高速 山々がそびえていた
なんてことなく ふと ふと見上げただけなのに
うすぐらい昼下がり 立ち寄った静かなカフェ
手のひらから逃げてゆく時をつかまえたかった
きみに会えてよかったな
ちょっぴり勇気をだしてつかまえてくれた
ありがとう
かけがえのない時 すばらしい出会い
どこかにあるような歌かもしれないけど
ありがとう
ただ気持ちをつたえたくて
ありがとう
ただ気持ちをつたえたくて
そして、アンコール。
sakanaとnontroppoのセッション『FAN』から『NO FUN』そしてまた『FAN』に戻るメドレーはほぼぶっつけに近いながら盛り上がった~。ピカピカがなぜかギター片付けちゃってて(あほー!)セッティングにもたついてる間、西脇さんが5分くらいギターソロで繋いでくれるという....申し訳なかったけど西脇さんがファズギター弾きまくる姿はグッとくる!結果オーライ!めっちゃ楽しかったあ。
ハイコレ、sakanaとnontroppoのライブ。ほんとうに愛おしい時間がゆったりと流れていました。心の足を止めてくれたみなさん、ありがとう。
打ち上げは「ぶあいそ」。「sakanaとnontroppo御一行様」と書かれた箸入れ袋に大喜びするポコペンさんと西脇さん。
いろんな面白い話は尽きることなく、いっぱい笑って、いっぱい呑んで、確実に1年前より距離がぐっと近付いているのを感じる。あんなに好きで、憧れて、遠くの世界のように感じていたsakanaのふたりが、まるでずっと昔からの友達だったように思えて、こんなに幸せな出会いに感謝としか言いようがない。
打ち上げの最後で酔って寝つぶれてしまったノンチェリーにみんなで寄せ書き(ラクガキ)した、右の膝はポコペンさんで左の膝はボギーが描いた。なんかかわい~ね(笑)。